ひるなかの流星 12巻(最終巻)感想
ひるなかの流星 12 (マーガレットコミックスDIGITAL)
- 作者: やまもり三香
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/05/25
- メディア: Kindle版
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また最終巻の感想を書いていきます。
書こうと思ってだいぶ寝かせてしまったのですが、寝かせすぎてやまもり先生の新連載がどうやら始まってしまうようです。チェックチェック。
今更ですが、次号のマーガレットから新連載「椿町ロンリープラネット」が始まります。タイトル長めですがよろしくお願いします。とりあえず猫をもっと可愛く描けるよう努力します。 pic.twitter.com/YuaPhcfWOZ
— やまもり三香 (@whoknowsmika3) 2015, 5月 9
ついに完結、12巻という結構長めのお話でしたが個人的にはサクサク読めました。隔週連載の影響もあると思うのですが、毎話冗長すぎずテンポ良く進んでいった感じでした。
最終巻は沖縄旅行での事件をキッカケに、すずめが獅子尾と馬村のどちらが本当に好きなのか、自分の気持ちと向き合うという内容でございました。やはり「獅子尾の気持ちがわからないから、自分を好きでいてくれる馬村の気持ちに精一杯応えたい」というようなやや不純?な理由は、純粋でひたむきな性格のすずめには似合っていなかったのでこの展開は良かったです。
正直終盤付近の獅子尾は酷かった...。最初の頃の行動は普通だったんですが、時が経つに連れ「大人だから」「生徒と教師だから」と予防線を張ったのにも関わらず、それを最終的に自分からぶち破っていくスタイルを披露してきたので株価大暴落。ストップ安です。もうちょっとこのあたりはなんとかならなかったのかと思いました。好きになったら止められないのは分かるんですけど、もう20代半ばの教師なんだからさ...という感じでした。
最終巻ではすずめが沖縄で馬村とデートをしている最中、最終手段「怪我をして病院へ運ばれる」スキル発動。すずめが病院へかけつけ、そこですずめへのほんとうの気持ちを暴露します。ふたりともちゃんと両思いだった、だけどその時にふたりの気持ちをちゃんと知る術がなく離れてしまったけれど、今やっと同じ気持だったとすずめは知ります。でも自分の気持ちはもう違う方向を向いていて獅子尾の気持ちには応えられないと、しっかり自分と向き合った答えを獅子尾に伝えました。それを獅子尾も受け入れ、すずめは再び馬村の元へ走って会いに行く展開。
初期から一変、清々しいほどの噛まれ犬に変身した獅子尾。彼はすずめのような純朴な子を好きになってはいけないですね。悲劇しか起こりません。(でも番外編でまだ寿司柄ネクタイが部屋に飾ってあったらしいから、すずめへの思いはだいぶ根が深そう)
そしてついに馬村の想いが報われる時が来ました!これはほんとうに嬉しかった...親戚のおばちゃんレベルで嬉しかった...やったね馬村!すずめのことが好きで手放したくないけど、それ以上に悲しませたくないと見守り続けた馬村は、ある意味すずめに良く似ていましたね。
獅子尾が怪我で病院へ運ばれた時、すずめに「行けよ」と言うのは辛かっただろうなと。それでもすずめが行かなかったことで後悔して傷つくよりよっぽどマシだと考えたのでしょう。かっこ良すぎるぞ馬村...。
そして自分の気持ちを伝えるため、ビーチに居る馬村の元へかけていくすずめ。もうこれだけでちょっと感動。そしてついに獅子尾への気持ちにケリを付けたすずめが馬村に「好き」と告白・浜辺でキス(けしからん)、ということで大団円を迎えるわけです。良かったね馬村!ほんとうに良かった馬村!!
馬村の女嫌いのエピソードが最終話に差し込まれたのも良かったです。よく考えたら今までなぜ苦手なのかということはちゃんと描かれていませんでしたしね。
すずめに関しては(某教師に)さんざん振り回されたので、もう馬村と幸せに余生を過ごして欲しいです。以上。
獅子尾はすずめにとっての「いつか見た夢の様な、憧れの昼日中の星」であったのに対し、すずめは馬村の「これから先もあなたに寄り添い続ける昼日中の星」でありたい、というような内容のモノローグが描かれて終了します。
このひるなかの流星、話も良いのですが絵もかなり上手で読みやすかったです。出てくる人みんなオシャレで眩しかった...
番外編がいくつかまとめられた単行本が出るそうなので、それも楽しみです。
本編とは関係なのですが、単行本のスペースのイラストに私信がかかれていたりして、その部分が残念でした...。メールでもLINEでもしてください。