宇宙(そら)を駆けるよだか 1巻感想
今回もマンガの話です。ネタバレもあります。
大好きな人と恋人同士になれて順風満帆だったあゆみ。だけど、ある日突然、クラスの嫌われ者・然子と体が入れ替わってしまい…!?
宇宙を駆けるよだか 川端志季 - 別冊マーガレット作品紹介より
表紙を見て気になっていたのですが、ようやく購入して読んでみました。表紙綺麗ですよね。こういうの好きです。
同じ系統の話では「累 —かさね—/松浦だるま - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイ」が人気ですね。こちらは最初の2話がweb掲載されているのでぜひ。
さすがに少女漫画なので累ほどのダークな雰囲気はありませんが、それでも人の醜い心やそれぞれの思惑が絡まり複雑な状況になっていく様子は面白いです。
最初こそ入れ替わったことを受け入れられず、今まで友達だった人にも避けられ沈んでいくあゆみですが、結構早い段階でその正体に気付き味方になってくれる人物が現れたので、もしかして早めに連載が終わってしまうのかも...?と心配になりました。まだ連載中のようなので、なんとか3〜5巻くらいまで続いてくれると嬉しいなぁ。
この作品で一番好感が持てた部分は、人物の書き分けが上手なところでした。主人公は容姿端麗ですので分かるのですが、入れ替わりを企てた人物である「海根然子」のデザインが素晴らしい...少女漫画でここまで描ける人はそうそう居ないと思います。
入れ替わり直後で動揺するあゆみ(然子)の表情や母親の雰囲気など、なかなか若手の少女漫画家では描けないのでは?
火賀にバレッタを貰った時に微笑むあゆみ。普通の少女漫画だとなぜか可愛くなってしまう場面も、ばっちり不細工です(褒めています)。
少々ご都合主義な部分はあるものの、今後のそれぞれの登場人物の「入れ替わり」に対する思惑がどのように展開していくのかに期待しつつ続刊を待ちます!
最後に、この作品の重要なキーになる「赤い月」が裏表紙に描かれているのですが...
これ、赤い月をせっかくカラーで書いているのですがバーコードに丸かぶりなんですよね。作者さんがこうなることを知ってて描いたのか、編集の方が「バーコードに被りますよ」とか教えてあげなかったのかは分からないのですが、デザインでもうすこし考慮してあげられなかったんですかね...?内容が良かっただけにこの装丁はすごく残念でした。