ひるなかの流星 13巻(番外編)感想
ひるなかの流星・番外編集がついに発売されました。
夏頃ということでアナウンスされていたので、6月とか7月、8月中頃かなと思っていたら、8月下旬に「椿町ロンリープラネット1巻」と同時発売されましたね。
書店で見つけた時はラスト1冊という状態で、すでに重版がかかっているようです。人気ですなぁ。
さて、この番外編の内容としては、猿丸(友達)の話、獅子尾の話、すずめと馬村の話、関係ない別の話が2.5:2.5:1:4くらいの割合で収録されています。
正直、正直な感想は、もっとひるなかの話を読めると思っていました...!収録作品読まないで買ったのであれなんですが。あと作品の収録順がひるなか番外編→初期読み切り→描きおろし番外編→カラー読み切りになっており、前からどんなことがあろうとも順番に読み進める人間にとってはちょっと不親切な構成だったかな、と。話が飛び飛びになってしまうので、番外編を前半に、その他読みきり作品を後半にまとめて欲しかったとも思いました。
ということで、今回は読みきり作品はひとまずおいといて、番外編の内容の感想だけ書こうと思います。
■二人の日常
すずめと馬村が「恋人らしいことをしよう!」とおされなカフェに行ってデートする話。コンパクトにまとまっていて、さらっと読める話です。全体的な展開はベタですが、それよりも二人が自分たちのペースで最終巻以降も付き合っているということが分かるのが良かったです。
カップル限定メニュー(パフェ)が目的で来たのに塩焼きそばを注文し、それを幸せそうに食べるすずめを見つめる馬村。良いではないですか。二人とも本編とは違ってリラックスして楽しんでいる雰囲気が伝わる話でした。
■猿丸小鉄のあたまの中
猿丸と亀吉の話。特に...感想はないです...。友情が恋に変わる瞬間がなかなか丁寧に描かれているかなと。ページ数が結構多いのですが、猿丸視点からの話なのでほぼすずめ、馬村、ゆゆかが出てきません。その代わり鶴ちゃん、犬飼がよく出てくるので、いつもと違う雰囲気を楽しめるのでは?
■隣の男
上記までの番外編は本編完結後すぐくらいの内容なのですが、この話で一気に6年後まで時間が進みます。獅子尾の隣人、鮫島とのちょっとした交流のお話が描かれます。
鍵を会社に忘れたことをきっかけに獅子尾の部屋にはいった鮫島が見つけたのは、すずめがいつかプレゼントした寿司柄のネクタイ。それを詮索するなと言わんばかりの表情で取り上げる獅子尾に、今まで平坦な感情で生きてきた鮫島の中に何かが生まれる。というような内容です。
さて、寿司柄ネクタイを毎日かならず見られる玄関においているあたり、獅子尾の中ではすずめの存在がまだまだ昇華しきれてないようで。でもそれを抑えるためにそこに置いていたのかなと。この話の直前のことはよく分かりませんが、置き始めた頃はネクタイをみることであの頃の思い出を思い出したり、その後の自分の選択のことを考えたりと、すずめに対する感情への抑止力にしてたのかなと思いました。綺麗な思い出のままで自分の中でゆっくり昇華させたかったので、誰にも触れられたり詮索されたくなかったのでは。そんなふうに思いました。
そしてお相手の鮫島さん。寿司柄ネクタイがトリガーになり、獅子尾に対する興味が湧いていました。それが恋なのかは作中では語られなかったのですが、獅子尾にコレ以上寂しい生活を送ってほしくもないのでぜひ結ばれて欲しい次第でございます。
というわけで寿司柄ネクタイが主人公の番外編でした。
■描きおろし
この話は諭吉の結婚式の後、引き出物を欠席した馬村に届けるすずめの話でした。
長々語るような感想は特に無し。
すずめの選択は間違ってなかったよ!幸せになれよお二人さん!
番外編の感想はこんな感じです。
欲を言えばやはりすずめと馬村の話ももう少し読みたかったかな〜と。といっても、いつまでも番外編を書いている場合では無かった(すぐ新連載始まりましたし)と思うので、このくらいの内容が妥当なのだろうなとも思いました。
連載終了してから時間が経って私の気持ちも少し離れたせいか、最終巻よりあまり力の入らない感想になってしまいました...。
あ、あとこの単行本では他の漫画家さんへ向けた私信が(たぶん)無かったのは良かった。本当に良かったです。
おわり。